もう新聞で話題になっているので皆さん知っているとは思うが、消費者金融は債務者に生命保険を掛けてる。「
消費者信用団体生命保険」というのだが、消費者金融業者曰く、「
遺族の負担を軽減するため」とのこと。
借金は相続されるということはご存知だろうか?
父親が多額の借金を残した場合、その債務は配偶者である母親や子供達に相続されることになる。決して
プラスの資産ばかりが相続されるわけではないのだ。
「相続を放棄すればいいのでは?」と思いがちだが、相続放棄というのは部分的にできるわけではない。相続放棄は、対象となるすべての相続を放棄しなければならないのだ。だから、土地や家などプラスの財産がある場合に、
借金だけ相続放棄するということはできない。限定承認と言って、相続した財産の範囲内で被相続人の債務を弁済することを条件に相続を承認してもらうという方法もあるが、結局は財産で借金を清算するようなものだ。
話はそれたが、返済が遅れている債務者と連絡が取れなくなり、回収担当者が自宅に連絡して初めて亡くなった事実を知ることになるのだが、
そんなときに請求しづらいということもあるし、喪中の家庭に返済の話を持っていくのも企業イメージ的に良くない。
もちろん、相続放棄されれば一銭も回収できないことになる。
そういったことで、この生命保険があれば、債務者の死亡後もスムーズに処理ができるということになる。もちろん、相続する側としても、マイナスの相続が回ってこないので、それはそれであり難いことかもしれない。
「いいことではないのか?」と思ってしまうが、そうとも言い切れない現状があった。
いわゆる「
命を担保」という話だ。
消費者金業者には債権回収業務当然存在するわけだが、その担当者は業務が債権回収なわけ。つまり、
債権回収業務担当者は回収することが成績になる。成績が上がらなければ上司からも怒られ、そのうち無理な取立に変わっていく。債務整理などされると、会社側とすれば面倒なわけで、死んでくれたら生命保険で回収でき、一つの業務がすんなり終わると思うようになる。もちろん、そのことを踏まえた取立になっていく。
「
回収中の債務者が亡くなったことを知りホッとする、というところまで麻痺していた。」と元債権回収担当の人がマスコミの取材でコメントしていた。
実に恐ろしいこと。
そういう実態が浮き彫りになってきて、消費者金融の大手は次々とこの生命保険の打ち切りを決定せざるを得なくなった。
結局「命を担保」としているように思われる結果を自らが招いてしまった。本来はそうでなかったはずだとは思うが・・・・。
債務者に明確に説明しないまま生命保険を掛けていたというのも問題だったとは思う。
とある銀行もローンの条件に生命保険があったような気もするけど・・・。
しかし、
この生命保険がなくなることによって、この借金というマイナスの財産を相続しなければいけない相続人が増えてくる。ということは、予期せぬマイナスの財産により、相続を放棄する人が増えてくるということも考えられる。
このあたりを政府はどう考えているのか少々不安も残る。
いずれにしても、借金は相続される。
今後は消費者金融も生命保険を掛けない。
死ねば家族を救える、自分が死ねばすべてが終わる、なんていうのは、大きな間違いだ。これからは特に、そのことは
肝に銘じて欲しい。
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